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Vol.0619:ジョージアのインターナショナルカンパニー支援制度

この記事を読むのに必要な時間は約8分です。

ジョージアの企業支援制度

先日、ジョージアの企業支援制度について
記事を書かせて頂きました。
参照:Vol.0615:ジョージアの支援制度の勘違い
色々な制度がありますが
今日はその中でも
————————————
【運送、IT業界への支援】
ITまたは運送業の企業は
下記の優遇を受けることができます。
従業員のincome tax – 5%(通常20%)
法人税 – 5%(通常15%)
配当税 – 免除(通常5%)
————————————-
この部分のIT部門について、より詳しく
解説をさせて頂こうと思います。
制度の正式名称は
『インターナショナルカンパニー支援制度』と言う名前です。

概要

インターナショナルカンパニーの地位は
ジョージア政府によって導入された新しい制度です。
この制度は、ジョージアに新しい外国人投資家を引き付けるだけでなく
ジョージアの企業が税控除を享受できるようにすることを目的としています。
名前に「インターナショナル」という用語が含まれていますが
外国からの投資でなければいけないという意味ではありません。
インターナショナルカンパニー支援制度は
申請者が、法令で指定された分野であらかじめ経験を持っていることを要求しています。
したがって、この制度はスタートアップの支援策というよりは
国際的なIT企業が本社をジョージアに移転することへの
インセンティブとして機能します。

税金

【控除される税金】
• 個人所得税:5%(通常 20%)
• 法人税:5%(通常 15%)
• 配当税:免除(通常 5%)
株主に支払う配当金は源泉徴収されず株主の総所得には含まれません。
したがって、配当税はありません。
【税金の仕組み】
• 法人税を支払う必要があるのはいつか?
1. 配当が分配される場合
2. 事業に関係のない不正な費用である場合
3. 商品やサービスの無料提供の場合
• 法人税がかからないのはどんな時か?
インターナショナルカンパニーは、通常の企業と同様に
総所得から経費を差し引くことになります。
総所得を削減する目的で、以下の費用を控除する権利があります。
1. ジョージア市民および居住者の従業員に支払われる給与。
2. 調査、プロジェクト計画、および品質テストなどに関連する費用。
*経費として取り扱える領域が狭いため、給与かどうかにかかわらず
通常、会社から出されるすべての支払いは
通常5%の法人所得税で課税されます。
ジョージアの税法では、総経費を0.95で割った会社の
法人所得税の計算式が示されています。
なお、インターナショナルカンパニーは自由工業地帯に配置することはできません。
(他の税優遇制度の恩恵を受けることはできません)

申請時に満たすべき要件

【申請者の経験】
• 申請者がジョージア法人である場合、法令で許可されている事業活動において
少なくとも2年以上の経験を持っている必要があります。
• 申請者が外国企業のジョージア支店である場合、法令で許可されている事業活動において
少なくとも2年以上の経験を持っている必要があります。
• 外国企業が所有するジョージア企業の場合、50%以上の株主(単独もしくは共同)が
法令で許可されている事業活動において少なくとも2年以上の経験を持っている必要があります。
【ジョージア国内での活動】
• インターナショナルカンパニーは、ジョージアの領土内で事業活動を行う必要があります。
十分な収入源を持つこと、労働力を維持すること、ジョージアの領土内で運営費を負担することが
要求されます。
• インターナショナルカンパニーは、法人所得税の対象となる必要があります。
(外国で税金を払っている企業は申請できません)
【手続き】
• 国税庁に申請する必要があります。申請書の記載事項は下記です。
o 法人に関する情報(名前、識別番号、法人種別) o 会社の登記住所および事業所の住所
o 事業内容
o サービスの提供場所
o 代表者の署名
o 以前の活動と経験に関する情報、ライセンス等(添付資料として) 国税庁は
必要に応じて追加情報を要求する場合があります。
国税庁が書類を確認するために10日間かかります。
申請に不備があった場合、申請者は10日以内に申請内容を修正することができます。
申請書に問題がない場合は、書類は財務省に提出され
その後財務省が政府に申請書を提出します。
インターナショナルカンパニーステータスの付与に関する最終決定は
ジョージア政府によって行われます。
決定を出すまでの期間は法令に明記されていません。
インターナショナルカンパニーの地位は永続的に有効です。
【事業活動内容】
インターナショナルカンパニーは、下記の活動のみを行うことが許可されています。
リストにない他の活動を実行する権利もありますが、その他の活動の総収入は
許可された活動の総収入の2%を超えてはいけません。
• コンピュータソフトウェアの生産
• コンピュータゲームの制作
• 他のコンピュータソフトウェアの生産
• コンピュータープログラミング、コンピューターコンサルティング、ソフトウェア管理、
• サイバー製品の作成、ソフトウェアのサポート、ソフトウェア更新プログラムの作成
• ウェブページの作成と配信
• ウェブホスティング、ソフトウェアとハードウェアの遠隔管理
• ソフトウェアのサポートとソフトウェアの更新
• データベースをホストする目的でのデータ、テキスト、および情報の配信
• システムの遠隔管理
• 仮想ストレージの提供
• ダウンロード用のソフトウェアと更新プログラムへのアクセス許可
(会計/マーチャントソフトウェアおよびウイルス対策ソフトウェアを含む)
• バナー広告をブロックするソフトウェア
• ハードウェアの一部をソフトウェアに接続するダウンロード用のドライバーソフトウェア
(例えば、プリンターのドライバー)
• Web ページへの自動フィルターのインストール
• ファイアウォールの自動インストール

まとめ

ざっと読んで頂いて
以前の記事で『ペーパーカンパニーでは無理ですよ』
お伝えさせて頂いたのが、ご理解頂けたのではないか?
と思います。
『ジョージアは今、熱い!ジョージアで簡単に会社を登記して
政府の支援を受けよう!!』
みたいな『甘い話ではないですよ!』と言うことです。
しかし、逆に言えば
しっかりと準備し、本気の企業は
是非、この制度を利用すべきだと思っています。
ジョージアをバブとして
『ジョージアから世界でビジネスをする』
そんなことを考えるIT企業があれば
お気軽に弊社にご相談を頂ければと思います。
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