Vol.0328:銀行の特別金利は本当なのか?
〇この記事を読むのに必要な時間は約3分です。 世界中、どの銀行でもありえる話なのが
『富裕層(VIP)向けに用意された特別金利』と呼ばれる物です。
例えば、HPに公表されている定期預金金利は『3%/年間』
だったとしても、VIPには『特別に6%/年間』の金利を出します
みたいなのが銀行の担当ベースで営業されることはあります。
これは事実です。
しかし、その一方でこの話を利用した詐欺話が世の中に
出回っているのも事実です。
そのような詐欺話では、下記のような営業トークで話が進みます。
詐欺師:
『富裕層向けに特別に準備された口座があるのですが
そこではPB(プライベートバンク)の担当者が元本保証で運用して
月利で50%のリターンが出るんですよ。でも、最低ロット(最低投資金額)が
5億円です。』
投資家A:
『すごいですね。でも5億円なんてお金はないわ』
詐欺師:
『大丈夫ですよ。1人で5億円必要なわけではなくて
私がその口座を持っているので、特別にAさんのお金も入れて
一緒に運用してあげますよ』
投資家A:
『そうなのね。じゃーお願いしたいわ』
詐欺師:
『では、私とAさんで借用契約書を交わして一緒に運用しますね』
と言うような感じで話が進みます。
富裕層向けに提供されている金利があるのは事実ですが
やはりそれは、銀行と投資家の間で直でお金のやり取りがされないといけません。
紹介者がいたとしてもです。
そして、富裕層向けに提供されている金利は
そこまでぶっ飛んだ数字ではないです。
例えば、HP上に公表されている金利から
せいぜい+1%〜8%です。
月利で+50%なんてことはあり得ないです。
あり得ない理由としては
月利で+50%のリターンを出せるのであれば
銀行はもっと儲けを出しています。(銀行もビジネスなので)
そんなリターンが出せるのであれば
どの銀行も『過去最高益を毎年更新』します。
しかし、今
世界の銀行の状況はどうでしょうか?
ドイツ銀行は破綻をしかけていますし
フィンテックの影響で、世界の銀行はどこも収益が悪化しています。
月利で+50%のリターンが出せるのであれば銀行の収益は悪化しません。
またこの手の話で利用される銀行は
だいたい有名な上場銀行(信用があるので)です。
HSBC銀行とか、DBS銀行とか・・・・
上場をしている銀行と言うことは
銀行の財務状況が公開されていますし、売り上げ、株価も
全てチェックできます。
月利で+50%を出せる銀行であれば
当然、その内容は最高の数字になるはずですが
そうなっていないのであれば、その話はかなり高確率で詐欺の話だと言うことです。