Vol.0506:死にたくても死ねない生きるリスク
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死にたくても死ねない
クライアント様とご相談をさせて頂いている中で
よくこんな言葉がご相談の中で出てきます。
『私はそんなに先が長くないから』
と。
これは、もう人生長くないから
『長期の投資ではなく、短期の投資のがいい』
と言う中で、出てくるセリフですが
弊社は、そんな方々に
『100歳未満で死ねると思わない方がいい』
と言うことをお伝えしています。
これは、クライアント様に長く生きて欲しいから
出てくると言う言葉ではなくて、本当に
100歳未満で死ねなくなってきているからです。
現在、日本では100歳以上の方が
何人いるのか?
そして、40年前は100歳以上の人が何人だったか?
そのデーターが下記です。
引用:nippon.com
40年前は100歳以上の方が1000人前後だったのが
今では、7万人を超えているわけです。
100歳以上の方は、40年で70倍以上です。
また、ガンでの死亡率も低下しています。
引用:国立がん研究センター
実際に弊社のクライアント様で
ガンで『ステージ4』だと診断されたものの
手術をすることができ、現在、とても健康で
世界中を旅行されている方がいます。
生きているからこそ言えるセリフですが
『最近はガンで死なないんですね』と
話をさせて頂いたのが、私の中でとても印象的でした。
そして『100歳以上生きる。死にたくても死ねない』
と言うことがリスクにもなると考えています。
100歳以上生きるリスク
40年以上前であれば
60歳で定年退職をして
60歳から年金をもらい
退職金も数百万円から数千万円あり
70歳前後で死亡したので
老後10年。『悠々自適な老後生活』ができたのは
納得です。
しかし、今はどうでしょうか?
仮に年金を75歳から受け取ったとしても
100歳まで生きるのであれば、25年間の時間が
あるわけです。
そして、年金金額が減ると言うリスクもありますし
収入が減ってしまい貧しい生活が『もう嫌だ。死にたい』
と思っても、医療の進歩で『死にたくても死ねない』のです。
40年前であれば、ガンで死ねたのに
今では、ガンで死なない人達がどんどん増えてきているからです。
これは、残酷な話で
長生きできて幸せなのは『それ相応の資産がある方』です。
『資産がない方』は、長生きはリスクでしかなく
『死にたくても死ねないと言う生き地獄』が待っている可能性すら
あるのです。
不老不死の研究
近年、世界中の富裕層達が莫大な資産を投じているのが
『不老不死』の研究です。
例えばグーグルの共同設立者セルゲイ・ブリン、オラクルの共同設立者ラリー・エリソン、投資家のピーター・ティールはいずれも、人間の寿命延長に注力するベンチャーに出資している。
不老不死(あるいは、少なくともより長く健康的な人生)の実現に向けては、多くのアプローチがとられている。人間を人工知能(AI)と融合させ、意識を人工脳に移すことで、身体がボロボロになっても生き続けるというアイデアのほか、医学が発達して蘇生が可能になるまで身体全体、あるいは頭のみを凍結保存する極低温技術も真剣に検討されている。
他に取られているアプローチとして、DNA改造がある。幹細胞を使った疾病治療は今、ますます大きなチャンスを生み出している。おそらく、幹細胞や遺伝子改変の技術は、充実した人生の大幅な延長につながるだろう。
また、パラビオーシス(並体結合)と呼ばれる手段を使う人々もいる。内科医のアレクサンドル・ボグダーノフは1924年、若者の血液を自分に輸血することで若返りに成功したと発表した。(ボグダーノフは後に、マラリアと結核にかかった学生の血液を輸血し亡くなっている)
ワールドクリニック(WorldClinic)の最高経営責任者(CEO)で、書籍「The World of Concierge Medicine(コンシェルジュ医療の世界)」を執筆した医学博士のダニエル・カーリンはこう語る。
「医学は人々の寿命を延ばせるまでに発達してきており、富裕層の一定の割合がこうした発展の利益を享受している。ワールドクリニックでは長寿計画に注力しており、最先端医療を利用した健康な長寿の実現を目的にしている。長生きに興味を持ち弊社を利用する人々はますます増えている」
大金持ちたちは長生きのための最先端医療研究に投資し、ワールドクリニックのようなコンシェルジュ医療企業は裕福な顧客が長く健康に生きられるよう知識や方法を駆使している。
他にも患者の寿命を延ばそうと試みる医師はいる。その一人が、コミュニティ・ヘルス・アソシエイツの医学長で、MDVIP社が運営する医師ネットワークの一員でもある医学博士のジェフリー・フリードマンだ。
「健康という言葉にはさまざまな意味があるが、われわれにとっては、素晴らしい人生を送ること、そして長く生きることを指す。われわれの仕事は、病気になった時の治療だけではなく、病気を予防し長く生きるための手助けをすることだ」とフリードマンは語る。
おそらく、医療の進歩により寿命は長くなるだろう。さらに、大金持ちの多くが、死への解決法を見出すため莫大な資本を投じている。人々はその間、より長く健康に生きる可能性を高めるための行動に出ることができる。カーリンやフリードマンのような医者は、こうした目標の達成を支援してくれるのだ。
Forbes Japanより
アメリカ、トランプ大統領の最大支援者でもある
投資家のピーター・ティールは
現在の科学と医療であれば
『理論上は150歳までは生きれる』
と発言をしています。
100歳以上生きると言うことでもびっくりなのに
150歳です。
しかし『ありえるのかなぁ?』とも思うわけです。
実際、40年前は70歳前後で死亡していたのに
今では、100歳以上生きる人がザラにいるわけです。
それを考えれば、この先40年で
『150歳まで生きる人』がたくさんいても
不思議ではないと思います。
まとめ
『100歳以上生きるリスク』については
『いやいや、私は大丈夫』と笑い話にしないで
『本気で真剣に考えて欲しい』と思っています。
これは『クライアント様が長く生きて欲しい』みたいな
けして、そんな良い人の発言ではないです。
客観的な数字のデーターによる
『現実的に起こり得るリスクの話』をしているわけです。
仕事を辞めれば収入は減る。
そして年金も減る可能性がある。
しかし、医療の進歩で病気になっても治ってしまうし
医療費も上がる可能性すらある。
これは、全クライアントが真剣に考えなければならない
『最大のリスク』と言ってもよいと思います。