Vol.0549:フィンセン文章で揺れるHSBC
〇この記事を読むのに必要な時間は約6分です。 日本人の『頑張っている』と
言う表現はよくないと思っています。
例えば、こんなシーン。
営業の1人が思ったように営業売り上げを
作れてない時、上司に『今月の数字は未達だか、どうするんだ?』
とつめられ、そこで出てくる言葉が
『もっと頑張ります』です。
この言葉は『典型的な仕事ができない人のセリフ』だと
考えています。
思ったような成果が出ていない時
『何が問題なのか?』を明確にしないといけないです。
また、それは単純な量を増やせばいいと言う問題でもありません。
例えば、上司に『今月の数字は未達だか、どうするんだ?』
とつめられ『今、1日営業の電話を100件かけていますが
それを200件にして、アポの件数を倍にします』みたいな。
一見、問題点がちゃんと見ているように見えて
実は全く本質をとらえていないです。
1日100件の電話を
200件にすれば、売り上げ数字は倍になるかも
しれないが、労働時間も倍になります。
生産性と言う観点では、全く非効率な方法です。
こうして日本企業の多くは
『長時間労働体質』の会社が出来てくるのです。
全ては問題の本質を見ようとはせず
『頑張ります』と言う言葉で片付けるから
こうなってしまうのです。
『頑張る』と言う言葉は
ビジネスシーンにおいては不要だと弊社は考えています。
ここからが本題です。
HSBCが窮地に
HSBCがフィンセン文章にゆれています。
「フィンセン文書」と呼ばれる2657件の文書を米バズフィードが入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)に提供した。BBCの調査報道番組「パノラマ」が、各国の報道機関と提携して、漏洩(ろうえい)文書について調査を進めている。
漏洩文書のうち約2100件が、「不審行動報告書(SAR)」と呼ばれるものだった。SARは違法行為の証拠ではなく、金融機関が不審と思う顧客の行動を金融当局に知らせるためのもの。
HSBCは、自分たちは常にそうした顧客の不審行動の通報について、法的義務を果たしてきたと説明している。
明らかになったHSBCのSARによると、HSBCがアメリカでマネー・ロンダリング(資金洗浄)をめぐり19億ドルの罰金処分を受けた直後から、「マルチ商法」や「ポンジ・スキーム」などと呼ばれる投資詐欺が始まった。HSBCは金融当局に、そうした違法行為に厳しく対応すると約束していた。
BBCより
フィンセン文章とは?
金融機関には犯罪マネーが入ってこないように
顧客の本人確認を徹底し、犯罪者ではないかなどを確認する必要があります。
これは世界中、どの金融機関も同じです。
また、犯罪行為の証拠がある場合は
金融機関は資金の移動を止める義務を負っています。
しかし、今回
米財務省のフィンセンから漏えいした文書で
マネーロンダリングの手口や
犯罪者が匿名のイギリス企業を使って資金を隠していた様子が
発覚したのです。
本来、フィンセンの文章は
一般に公開される物ではありません。
そのため、大手金融機関が
犯罪に関与していたと言うことで
大スキャンダルとなっているわけです。
流出した文章は、2000年から2017年にかけてフィンセンに提出されたもので
対象の取引は約2兆ドル規模に上ります。
フィンセンは、この文書の漏洩はアメリカの国家安全保障や捜査に打撃を与え
SARを提出する側の安全を脅かす恐れがあると懸念を示しています。
おそらく司法取引をしていた?
ここからは憶測でしかありません
本来、フィンセンの文章は一般に公開される物ではありません。
報告と対応策が十分だったか?は別としても
犯罪マネーに関しては報告はしていたはずですし
フィンセン側も指摘はしていたはずです。
近年、HCBCではリストラを進めていましたが
リスク管理部門(犯罪マネーをチェックする部門)の
人員は増やしていました。
おそらく、その背景にはフィンセン側との
やり取りがあったと思いますし
司法取引もあったのでは?と思っています。
アメリカ当局の調査に協力する一方で
HSBCの罪は免除する的な物が。
だからこそ、この手の文章は
一般には公開されないのです。
まとめ
フィンセン文章を読んだわけではないので
実態は、よく分からなく何とも言えませんが
もし、HSBC側がアメリカ側から指摘されていたにも
関わらず、犯罪マネーに関与していたとなると
HSBCは相当、窮地にはなるでしょう。
調査には数ヶ月から数年はかかるでしょうから
今後、どうなるか?は、まだ分からないですが
かなり荒れることは間違いないと思います。