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Vol.0458:香港国家安全法のその先の規制

category : 香港

この記事を読むのに必要な時間は約7分です。

香港国家安全法が成立

ここ数年、香港の中国化の外堀を埋めている
中国に取って、香港国家安全法の成立は既定路線であり
2020年5月28日に中国で承認されました。
香港国家安全法とは?
『香港政府が、国家反逆、国家分裂、動乱煽動、中央政府転覆
国家機密窃取の行為を禁止し、外国の政治組織や団体が香港で
政治活動をすることを禁止し、香港の政治組織・機関が外国の政治組織や
国体と関係をもつことを禁止する法律を自ら制定すべし』と言う内容です。
そして、この法律のポイントは下記の2つだと思っています。
・中央政府の機関が香港政府に組織を設置し、国家安全に関連する職責を果たす
・領土保全からインターネット規制まで広い分野をカバーできる

中央政府の機関が香港政府に組織を設置し、国家安全に関連する職責を果たす

過去のこのブログでも何度も書かせて頂いているように
イギリスから中国へ香港が返還された際の約束で
50年間(2047年まで)は
『イギリスが統治していた時のルールを守る』
と言う約束でした。
参照:Vol.0456:香港の過去から未来
つまり、香港の領土内に
中国の政府機関を設置してはいけなく
それは、香港の法律にも書かれています。
しかし、そんな約束など平気で反故にするのが中国政府であり
だからこそ、下記のような物ができてしまうわけです。
『中央政府の機関が香港政府に組織を設置し、国家安全に関連する職責を果たす』

領土保全からインターネット規制まで広い分野をカバーできる

今回、香港国家安全法の中で
『インターネット規制』を入れたのは
とても重要であり、香港の未来をとても暗くさせたと思っています。
多くの人がご存知の通り
中国ではGoogle、Twitter、Facebook
日本では利用者も多いLineなどは使用することができません。
それはなぜか?
中国のインターネットは中国政府が監視をしており
海外企業のSNSは、中国政府の規制の外にあるからです。
つまり『独裁を維持をするために、インターネットでの悪口を
徹底的に潰している』のです。
現在、香港では
多くの市民がSNSやインターネットを使い
香港の現状を世界に発信し、私達はその情報を受け取り
『香港の状況』を理解するわけです。
つまり、香港と世界をつなぐツールが
SNSやインターネットになるのですが
中国政府の視点で見れば
そんなことは『けしからん』わけです。
つまり、今後
香港でも中国同様にGoogle、Twitter、Facebook
Lineなど、海外企業のSNSは規制され
私達は、香港からの情報は中国政府のチェックを受けた物しか
手に入らなくなる可能性があるわけです。

2020年は香港立法会(議会)選挙

今年、2020年9月には
香港立法会(議会)選挙があります。
中国政府の香港国家安全法の承認は
2020年9月の香港立法会選挙を見越してのことだと
言われています。
今回の選挙では『絶対に香港の民主化を求める議員を
過半数以下にしなければならない』
このためには、中国政府はありとあらゆる手段を
取るだろうと言われています。
香港の民主化運動は、中国政府にすれば
『国家反逆、国家分裂、動乱煽動、中央政府転覆』
なるので
つまり、香港の民主化を求める議員に圧力をかけ
その情報はインターネット規制により遮断し
中国政府に忠実な犬議員で過半数を取ると見ています。

香港の金融センターとしての地位は終わる

香港にある日系企業は
『香港国家安全法で香港が変わることはない』
『香港金融管理局は、中国が制定する方針を示した香港国家安全法について
香港の金融システムのあり方を変えるものではないと強調。
だから香港は安心安全です』
と言っていますが、他の企業の反応はそうではないです。
オリエント・キャピタルのコリアー氏は
(ちなみに、コリアー氏はオリエンタルキャピタルの創業者で
中国国際銀行の元総裁です。)
『香港は今後5年間で金融ハブとしての地位が「徐々に低下」する可能性があり
香港はビジネスをする上で非常にリスクの高い場所だと思います。
もし本土当局が入ってきて、抗議活動を止めるためにドローン的な方法を
取らなければならないとしたら、香港は世界的に見て非常に不利な状況になるでしょうし
投資家はそのような状況を快適に過ごせないでしょう。
先を見据えると、特定の大規模な投資ファンドは
「退職基金からの圧力に直面する」可能性が高い。
5月中旬、ドナルド・トランプ米大統領と労働局は
連邦退職金を担当する役員会に対し、中国企業への投資計画を
停止するよう指示をしました。』
と、語りました。

まとめ

冷静に考えて
『香港金融管理局は、中国が制定する方針を示した香港国家安全法について
香港の金融システムのあり方を変えるものではないと強調。
だから香港は安心安全です』
と言う発言は、あまりにもお粗末ではないだろうか?
目の前で、窃盗犯が窃盗をしているのに
店主が『大丈夫です。この店では窃盗は起きませんから』
と言っているのと同じだと思っています。
この問題の全ての元凶は中国政府です。
以前から、お伝えしているように
香港が信用できる、できないの話ではなく
『中国政府が信用できる?できない?』の問題なのです。
香港の金融システムは変わらない?
そもそも、イギリスとの約束で2047年までは
ルールを変えないはずではなかったのか?
その約束を平気で反故にしたのは誰なのか?
そして今、香港の領土内に中国当局が入り
インターネットも規制をしようとしている。
ここまで、色々なことを変えられ
中国国際銀行の元総裁ですら『香港はリスクの高い場所』
と警鐘を鳴らすのに
『香港の金融システムは変わらない』と言うのは
あまりにも現状が見えていないと思っています。

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