Vol.0283:IT先進国での全て電子化は本当か?

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Beograd Consulting Group 
代表取締役CEO

IT先進国と呼ばれているエストニアでは
様々な行政手続きが電子化されており
『もう士業などはいらない』などと言われてたりしますが
実際は『ちょっと違うかなぁ』と言うのが弊社の印象です。
今だに士業の方々はバリバリ働かれていますし。
方向性としてはそうだと思います。
『様々な物が電子化され、ペーパーはなくなる』とは思いますが
ただそこに至るまでには、もう少し時間がかかると思っています。
ジョージアもエストニア同様
行政のIT化が進んでいるのですが、なぜ紙がなくならないのか?
と言うことを考えた時
その答えは『生活の全てが電子化されていないから』だと思っています。
中途半端に紙のお金があったり
国民はIDカードを持っているが、外国人は持っていなかったり(ジョージアの)
ですので、電子化の中にも中途半端にアナログが存在するのです。
その中途半端なアナログがあるゆえに
紙の手続きが必要であり、その作業がする士業が必要となっています。
国民はIDカードに情報が入っていて
(これはエストニアでも同じですが)
それで法人手続きを行えば、紙などいらないですが
IDカードを持っていない人はどうするのか?となると
やはり紙で必要書類に記入し、サインをしてと言う作業が必要です。
会計もそうです。
紙のお金が存在していなくて
全ての決済履歴が行政のシステムと上がっていて
税金が自動計算されているのであれば、会計士は不要なのですが
紙のお金が存在していて『このお金は何?』と言うのがあると
それを紐づける会計士の存在は必要です。
しかし、いずれは『全て電子化の流れは変わらない』と思っています。
ただ、現時点では『IT先進国の国でも紙の手続きは存在しているよ』と言うことです。

累計不動産取引数432

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