不動産投資の基本的な考え
不動産投資をする際
『将来の値上がり』を投資家が期待するのは
『正しい』です。
将来『不動産価格が上昇するだろう』と
言う物に投資をすべきですし、不動産価格上昇に期待を
して何が悪いんだ?とも思います。
しかし、不動産投資をする時には
『それは1番重要な要素ではない』とも考えています。
では、何が1番重要なのか?
これは弊社の考える不動産投資の中で
もっとも『重要視している部分』ですが
それは『家賃収入がどれくらい入って来るのか?』です。
不動産価格の上昇に期待をするのは『あり』なのですが
その一方で『もし不動産価格が上昇しなかったらどうしますか?』
と言う『セカンドプラン』も準備をしておかないといけません。
セカンドプランは『損切り』と言う選択肢もありますが
弊社が考えるセカンドプランはやはり『家賃収入での投資資金回収』です。
例えば、利回りが20%近い不動産であれば
投資した金額は5年で回収できてしまいますし
また、5年後は投資金額の回収だけではなく
『不動産』と言う資産もあるので、それを
売却すれば『売却した金額はそのまま投資利益』ともなるわけです。
なので、投資家としては『将来の値上がり』を期待するのは『あり』
なのですが、もっとも見ないといけないポイントは
将来『不動産価格が上昇しなかった』と言うことを前提に
『家賃収入で何年で回収できるのか?』が重要になってきます。
そして、その失敗事例が『マレーシア』です。
マレーシアの不動産価格
ここ数年、多くの投資家が
マレーシアの不動産の『値上がり』だけに注目をし
借金をしてまでマレーシアの不動産に投資をしていました。
しかし、期待した通りの『値上がり』にはならず
マレーシアの不動産価格は『下落』へと転じています。
そのチャートが下記です。
現在、マレーシアの主要都市の売れ残りのアパート
約19億USDあると言われています。
19億USDのアパートが売れ残っていると言うビックリすると
思いますが、この数字はまだ良い方です。
なぜなら、政府が不動産投資に対して規制を始め
結果、不動産価格が下落。そして売れ残ったアパートが
徐々に売れ始めているからです。
マレーシア政府は現在
投機を制御し、開発者の過剰建築を阻止するための複数の対策を導入しました。
不動産価格が100万リンギットを超える物件については
印紙税を3%から4%に引き上げました。
また、6年以上所有されている不動産の売却に対しては
不動産取得税(RPGT)5%を導入しました。
この結果、不動産価格は下落をしており
適性な水準までは不動産価格の下落は止まらないと思っています。
マレーシアの主要都市は投機的に不動産価格が上昇したため
家賃収入との乖離が拡大しました。
そのため、マレーシアの主要都市の不動産利回りは
3%から4%とも言われており
『不動産価格の上昇』だけを期待して投資をした投資家は
不動産価格の下落で『売るに売れない(借金があるため)』
家賃収入では『投資したお金を回収できない』と言う
状況に追い込まれています。
まとめ
投資をしていれば、予測できない
色々なことが起きます。
コロナウイルスも良い例ですし
マレーシアの政策の変更も良い例かと思います。
それらを予想できるのは
『未来を予知できる超能力者』くらいです。
しかし、実際には私達はそんな超人的な力は持っていませんので
大切になってくるのは『トラブルに対応できる力』です。
そのためには『不動産価格の上昇』と良いことばかりを
考えて投資をするのではなく
・もし不動産価格が下落したらどうする?
・もし税金が上がったらどうする?
・もし不動産が売れなくなったらどうする?
など、ネガティヴな要因を投資をする前の段階で考え
その上で投資の実行を決めていくのが良いと思います。
投資をしていて『不動産価格が上昇した』みたいな
良いニュースは、投資家にとって困ることはありません。
困るのは『ネガティヴなニュース』のみであり
それを事前にシミュレーションしておくことで
トラブルに強くなっていきます。