Vol.0523:香港で枯渇するアメリカドル?

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埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Beograd Consulting Group 
代表取締役CEO

アメリカドルの枯渇?

香港でアメリカドル不足が起こっています。
この写真を見てください。

これは、今年の5月に香港の外貨両替所で
多くの香港市民が香港ドルを売り、アメリカドルを
調達している光景です。
実際に香港で本当にアメリカドルが不足しているのか?
と言えば、その答えはNoです。
香港政府は外貨準備高で約4400億ドルを保有しており
すぐにこれが枯渇すると言う話ではないですが
香港市民がパニックを起こしたのは確かです。
一気に香港市民が外貨の交換を行ったため
一時、銀行のATMでもアメリカドルが不足し
それが外貨交換所へと市民を走らせたわけです。
現在はパニックも治まっていますが
それでも根本的な問題は解決していないです。

香港からの流失すると人とお金

2019年には香港から台湾へ移住した人が5000人。
今年はこれ超えるペースで台湾への居住の申請がされています。
台湾と香港は同じような立ち位置にあり
(中国に支配されたくないと思う国民)
その点で、台湾政府はいくらでも香港市民に
助け舟を出すでしょう。
他にもイギリスやオーストラリアも
香港市民の受け入れを準備しており
これはさらに拡大すると思われます。
また、香港政府(もはや中国政府の完全な犬となってしまいました)は
『資本流失や人材流失は起きてない!むしろ、流入している』
と現地、香港紙で発言していますが
さすが、その発言には無理があります。
なんでもこの状況で1000億ドルが香港に流入したそうです。
香港のこの状況で、人とお金が流入するとは思えない。
つまり、香港政府が出す数字のデーターは
中国政府同様、もう信憑性がなくなっており
別のデーターで見るしかないのですが
奇妙なことに、今年
シンガポールの非居住者の預金金額が
前年比で44%以上増加しています。
このお金がどこから来たのか?と言えば
『香港』です。
なので、資本流失は起きており
その金額は500億ドルとも言われています。
また、企業の流失も始まっています。
現地、香港に拠点を構える
外資系企業の約4割が
『香港から拠点を移動させる予定がある』
と語っています。
しかし、それでも中国政府は
香港政府に対する対応を変えることはないでしょう。

もはや香港は重要ではない

これは、過去にも記事にさせて頂きましたが
参照:Vol.0456:香港の過去から未来
香港が中国に返還された当時は
香港のGDPは中国のGDPの20%ありました。
しかし、急激に成長をした中国のGDP。
今の中国のGDPからしたら、香港のGDPは
わずか、1,2%程度です。
中国政府にとって、香港もはやそれほど重要ではないのです。
だからこそ、世界から非難されても態度を変えないのです。

まとめ

度々、弊社は香港の危険性を
このブログで書かせて頂いてきました。
それは香港政府を非難すると言うことよりは
中国政府への非難です。
香港をどう見るか?
独立した国なのか?
中国の中にある香港と言う都市なのか?
弊社の考えは後者です。
弊社は中国を信用していないですし
だからこそ、香港と言う場所も信用していないです。
で、この発言が『中国政府批判』となるわけですが
これが、今年新しく香港で成立された
『国家安全維持法』に触れる可能性があると言うことを
ご存知でしょうか?
もちろん、香港にいなければ逮捕されませんが
香港に渡航して、この記事を書いているのが特定できているのであれば
私は『逮捕』される可能性があります。
なぜなら、香港、中国政府を非難することは
『国家を転覆させる可能性がある人物』となるからです。

累計不動産取引数432

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