歴史家トインビーの危惧
イギリスの歴史学者であるトインビーは
アフリカ大陸を北と南で分割してしまう
ラインがあると、警告をしてきました。
そのラインとは?
下記の赤いラインです。
赤いラインより上は
砂漠を中心とした乾燥地帯。
赤いラインより下は
緑豊かで、資源も豊富なエリア。
この赤いラインより上はイスラム地域。
赤いラインより下は非イスラム地域となり
『この火種はいずれ対立と言う形で
ぶつかることになるだろう』と
指摘しました。
そして、それは現実の物となってきます。
それが南スーダンです。
南スダーンの独立
2011年、南スーダンはスーダンから独立をしたわけですが
そこで引かれた国境線は、まさにトインビーが
指摘したアフリカを北と南で分割してしまうライン上に
国境線が引かれたのです。
これにより、北のスーダンは
資源のない、乾燥した砂漠を中心とした国土に。
南の南スーダンは、緑豊かな
資源豊富な国土に。
と言うことになってしまい
いずれ、この対立はアフリカ全体で起こる可能性もあるわけです。
そして、その鍵を握るのが
ナイジェリアだと言われています。
ナイジェリアにも北と南の対立がある
ナイジェリアと言う国は
スーダン(独立する前の)同様
自国の中に、北と南を分割してしまう
可能性のラインがあります。
赤く丸で囲ったエリアは
ナイジェリアで大きな問題となっている
国際テロ組織『ボコ・ハラム』の活動エリアで
赤いラインより下には
ナイジェリア経済の中心『ラゴス』という都市があり
そして、ナイジェリアの資源(油田等)等も
やはり、ラインの下にあるわけです。
ボコハラムもイスラムを中心とした考えですし
スーダン同様、ナイジェリアにも
ラインより北はイスラム。ラインより下は非イスラムと
言う、国を分割してしまう可能性を秘めているわけです。
しかし、その一方で
もしナイジェリアが北と南を上手くまとめることが
できるのであれば、ナイジェリアは
アフリカで中心的な役割を持つことになるだろうと
言われています。
紛争解決にもっともお金を出してきたナイジェリア
アフリカには50を超える国と地域が存在しますが
その中でGDPトップ3の国は
他の国よりも突出して金額が高いです。
参照:世界経済のネタ帳より
そして、トップ3の中で見ても
ナイジェリアは2位の南アフリカよりも
頭1つ、出ている感じです。
それゆえに、ナイジェリアが持つ役割の重要性は大きいです。
だからこそ、ナイジェリアは
アフリカをまとめるために、アフリカで1番お金を出してきました。
ナイジェリアは西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の
中心メンバーであり
西アフリカの紛争を解決する組織
西アフリカ諸国経済共同体監視団(ECOMOG)に
多くのお金を出し、紛争解決に力を入れてきました。
それて、現在では
アフリカ連合(AU)でも、ナイジェリアは影響力を持ち始めています。
ゆえに、ナイジェリアが全てのキーマンなのです。
ナイジェリアは絶対にスーダンのように
北と南で分割してはダメなのです。
もし、ナイジェリアがスーダンのように
北と南で分割するようなのであれば
それは、アフリカ全土を巻き込むことになるでしょうし
逆に、ナイジェリアが北と南を上手くまとめることができるのであれば
その流れはアフリカ全土に広がり
トインビーが指摘したラインは
ないものとなるでしょう。
影響力が大きいからこそ
アフリカの成長はナイジェリアが鍵なのです。
まとめ
ナイジェリアの国章に
白く『Y』と書かれたラインがあるのをご存知でしょうか?
これは、けして国を3分割すると言う意味ではありません。
ナイジェリア国内に流れる大河を表しています。
西から入るニジェール川と
東から入るベヌエ川を表しています。
ニジェール川は
アフリカ大陸西部のギニアのフータジャロン山地南部に源を発し
ほぼ北東流してサハラ砂漠南端部のマリに入り,南東に向きを変えて
ニジェール南西部を貫流,ナイジェリア中部でベヌエ川と合流し
ギニア湾まで流れる全長約4030kmの大河。
ベヌエ川は
カメルーンのアダマウア山地北麓に源を発し
ほぼ北西流してナイジェリアに入り
のち西南西に転じてナイジェリア中部でニジェール川合流する
全長約1400kmの大河。
この2つの大きな大河の合流を
国章で表現しています。
そして
ニジェール川もベヌエ川も
ナイジェリアのみならず、西アフリカの複数の国を
横断しており、西アフリカの乾燥した地域を
潤しています。
けして『国を分割する』と言う意味には
してはいけないですし
西アフリカを。そしてアフリカを。
北と南の分割をまとめれる国は
ナイジェリアしかいないです。
多くのお金を紛争解決に注いできたからこそ
そのお金をけして無駄にはしてはいけないですし
アフリカをまとめることができれば
ナイジェリア経済は爆発的な成長を遂げると思っています。
そして、それは不可能な話ではなく
ナイジェリアならできると見ています。