破綻をしない借金のカラクリ
借金破綻のメカニズムは
個人であれ、民間企業であれ、政府であれ
基本的には同じです。
例えば
個人で複数の金融機関に借入をしている人がいるとします。
いわゆる『多重債務者』と言われる人です。
この人は、どのような時に『破綻』となるのか?
を考えた時、それは『誰もお金を貸してくれなくなった時』が
答えとなります。
少し分解をして説明させて頂きますが
『多重債務者』と言われる人達は、毎月の返済に
四苦八苦しており
『毎月の返済+毎月の生活費』の金額が
『毎月の収入』を超えてしまっているため
不足分をまた、借入で補っているのです。
しかし、逆に言えば
この『多重債務者』に毎月、お金を貸してくれる人がいれば
『多重債務者』の借金は増え続けますが、不足分は
新たな借金で補填ができるため、理論上は『破綻しない』と
言うことが成り立つわけです。
しかし、現実は
『多重債務者』に無限にお金を貸してくれる金融機関はいないため
どこかで『お金の借入が難しくなる』わけです。
そして、その時が
『多重債務者』が毎月の返済ができなくなる時で
いわゆる『破綻』を宣言しないといけない時になるのです。
これを日本政府で考えた場合
日本国債がなぜ破綻しないのか?はすごく簡単な話で
毎年『お金を貸してくれる人や企業がいる』からなのです。
日本政府には誰がお金を貸し続けているのか?
日本政府にお金を貸し付けているのは
大きく分けると5つです。
・日本銀行(日銀)
・日本の個人
・日本の企業
・海外投資家
・日本の機関投資家
です。
まずは『日本銀行』ですが
ここは無敵です。
日本銀行の財布には底はありません。
機械で1万円札を無限に印刷し続けることができるため
理論上は、無限に日本政府にお金を貸し続けることができ
これを延々に繰り返せば、日本政府は破綻しないと言う構造ができます。
ただ、そんなことをすれば
日本円の価値はどうなるのか?と言うことを考えた場合
言うまでもなく、大暴落をしてしまいます。
『日本の個人』『日本の企業』については
同じと考えて大丈夫ですが
『私は日本国債を買ってない』と言う人がほとんどだと思いますが
直接は購入していなくても、間接的には購入しています。
それが『銀行預金』です。
銀行に預けてある現金は、そのまま銀行が保管しているわけではありません。
運用がされており、そのほどんどが『日本国債』へと投資がされています。
日銀の発表によると、2020年9月末時点の
日本企業の現預金残高は309兆円。
個人に現金預金残高は1034兆円。
と過去最高を記録しています。
日本国債はほとんど日本国内で消化されていると言われていますが
『外国人投資家』が保有をしていないわけではなく
『海外投資家』も日本国債に投資をしています。
その金額は145.8兆円で、発行済み国債の12.9%ほどです。
日本の『機関投資家』の多くも日本国債に投資をしています。
日本国債に投資をする最大の機関投資家は『保険会社』です。
日本人は保険が大好きだと言われていますが
保険会社も銀行と同じで、集めた保険料をそのままプールしているわけではありません。
投資をしています。
そして、その投資先の多くは『日本国債』となっています。
日本国債とは
日本人が稼いだお金を、保険に回したり預金を増やすことで
どんどん発行する国債を増やすことができ
それでも不足する分は、日銀が機械で1万円札を印刷し
破綻をしないカラクリなのです。
まとめ
日本政府の借金は増え続けている。
しかし、日本人の預金残高も過去最高を更新し
増え続けているため、新たな借金が可能となり
破綻しないと言う構造が成り立っています。
しかし、ここで1つ疑問が。
現在、日本の人口は減少しており
20代の貧困率も増加しています。
そして、若い家庭を中心に
預金がない家庭も増加しています。
はたして、このまま
10年後も、20年後も日本人の預金残高は
右肩上がりで上昇をし、過去最高を更新し続けることが可能なのでしょうか?
もし、預金残高が減少に転じたら?
どうなってしまうのでしょうか?
その分を日銀が全て引き受けるのでしょうか?
しかし、そんなことをすれば
日本円の価値はどうなってしまうのでしょうか?
と言うことを考えたいった場合
日本国債の1つの分岐点は
『日本人の預金残高が減少の転じた時』と考えられないでしょうか?
日本人の預金残高が増え続けている時は
日本国債のリスクは表面化しないでしょうが
日本人の預金残高が減少に転じ、それが毎年のように
減少の記録を更新していくとなった時
日本国債のリスクは表面化すると考えています。
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