Vol.1562:ドバイの不動産値上がりしてませんよね?エージェントの数字マジック

〇この記事を読むのに必要な時間は約4分です。

埜嵜 雅治

執筆者埜嵜 雅治

Beograd Consulting Group 
代表取締役CEO

ドバイの不動産は何で取引がされるのか?

ドバイの

・賃貸不動産
・売買不動産


が、何の通貨で取引がされるのか?
と言えば、ドバイの通貨

『AED(ディルハム)』

で、取引がされます。

『ドバイの不動産が熱い!』
『ドバイの不動産がすごい上がっている!!』


などの言葉を
ドバイ不動産を調べたことがある人であれば
1度は耳にしたことがあると思います。

ドバイの不動産がAEDで取引されている以上
ここで言う『ドバイの不動産が上がった』
と言うのは

『200万AED買った不動産が
300万AEDで売れた。
だから100万AEDの利益が出た!』


このような表現がされているのが
本当の意味での『不動産が値上がった』
なのですが

しかし、SNS上はこんな表現を
よく見かけないでしょうか?

3年前に1億円で買ったドバイ不動産が1億2000万円で売れました!

みたいな表現です。
これって、不動産は値上がりしていないですよね??
と言うのが、分かりますでしょうか?

利益は為替差益

現在、ディルハムと円の為替は

『1AED:41円』

くらいです。
※2024年11月現在。

これが、3年前となると
為替は

『1AED:30円』くらいでした。

つまり、為替はこの3年で
36%円安が進行したことになるわけです。

話が戻りますが

『3年前に1億円で買ったドバイ不動産が1億2000万円で売れました!』


と言う話は
『3年で20%上昇をし、リターンを得た』

と言うことになるわけですが

もし、不動産を買わないで
3年前に1億円をAEDにしていれば
1億円は1億3600万円になったわけです。

なぜなら、為替が36%円安に進行をしたので。

そして、ドバイの不動産はAEDに取引がされていると言うことは

この例で言えば
『3年前に1億円で買ったドバイ不動産が1億2000万円で売れました!』

おそらく、AED建ての不動産は10%くらい下落をしたけど
為替の差益で36%儲かったので

結果的に『1億円が1億2000万円になりました!』

と言うことになるわけです。

投資なので、為替の差益で儲かろうが
不動産の売却益で儲かろうが

投資家としては、どちらもでいいわけですが

ただ、不動産ではマイナスが出ていて
為替の差益でプラスが出ているだけなのに

『不動産が値上がりした!』

と言う表現は、どうなんでしょうか?
と思うわけです。

正しい情報がなければ正しい投資判断ができない

全てのドバイ不動産が上記のような形だとは
思っていません。

事実、AEDベースで見ても
値上がっている不動産はあります。

しかし、ドバイの不動産なら
何でも値上がりがするのか?

と言えば、それも間違っています。

また、投資家の視点で見た時
1億円が1億2000万円になったことは良いのですが

そのリターンが
為替差益によるものなのか?
不動産の値上がりによるものか?


その理由を正しく知っておくことは
投資判断をする上で、とても重要な情報になります。

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